トヨタ・プリウスのリコール問題で、想うこと。

この所世間を騒がせている、トヨタプリウスを始めとするリコール問題。
今回は自分も製造・生産に関わる者として、書きたいと思います。

このデフレ不況の中、企業努力と呼ばれる“コストカット”はまるでゴールの見えないマラソンの様な状態続いています。
特に中間業者や下請け等末端に行けば行く程、そのコストカット圧力は相当なモノだと思います。そしてその圧力と日々戦いながら、品質の安定に向けて腐心されています。
今回プリウスらのリコールの原因となっているであろう部品の共通化も、コストカットの大事な方法の一つです。


そしてコストカットについては、自分が日々携わっている婦人服作りでも一緒です。
原材料の品質の低下やメーカーの値下げ圧力で、品質の維持・安定の為に多くの努力を要します。
それは僕の業務内容にも影を落とし、(その昔は殆どデスクワーク上の管理で済んでいましたが)現在は納品に至る迄中間検査や最終検査に立ち入らないと、品質の良い製品を安定的に供給するのはとても難しい状態です。

百貨店売り上げの下がる中、このような状態でモノづくりをしていても中々展望が開けません。
他に無い特色があり、モノマネじゃ無い製品を作り、ある程度の値段が取れる商品を作って行かないと、このデフレスパイラルを突破出来ません。


“安さ”の先には、“更なる安さ”しかありません。
消費者には歓迎すべきその安さも、今回の様なリコール問題を発生させる可能性のある“諸刃の剣”でもあります。


安さの、“その先”へ。
大量生産・大量消費の時代は、もう終わっていると思います。
どの業界も産業構造を根本的に考え直さないといけないですね、早急に。